アルコール依存症を治療せず、放置しておくと様々な問題が生じてきます。
まず、家族をはじめとする周囲との人間関係が断たれてきます。そうすると、ますます寂しさを飲酒で紛らわすようになり、症状が徐々に進行していきます。深刻な慢性疾患を放置しておくと心身ともに疲弊していきますが、それと同じように、最後には「死」が控えているといっても過言ではありません。
そこにいたるまでの間に家族や周囲の人も巻き込まれ、本人同様にこころもからだも疲弊していきます。そのような状況にもかかわらず、本人は自分なりに問題を解決するために飲酒量を調整しようと試みます。しかし、飲酒量をコントロールできないという事実に直面していきます。
このように、治療を受けずにいると「死」にいたるまで飲み続けてしまうのがアルコール依存症です。家族や自分自身が幸せで安心した生活を送っていくためには、「断酒」という治療しかないのです。
治療を進める上では「アルコールと離れ、安全な場所において飲酒をせず、家族や周囲の人と健康的な生活を共有・体験していく」ことが非常に大切になります。