スタッフからのメッセージ 医師

センター長よりご挨拶

センター長 垣渕 洋一

当院では、1961年(昭和36年)よりアルコール依存症の治療を始め、1974年(昭和49年)にアルコール専門病棟が開設されました。1990年(平成2年)に閉鎖病棟から開放病棟となり、東京アルコール医療総合センターと改称、より総合的な治療を行う体制を整えました。そして2007年(平成19年)に新病棟に移り、現在にいたっています。おかげさまで、これまで多くの回復者を送り出してきました。
2013年(平成25年)12月、関係者にとって長年の悲願であった「アルコール健康障害対策基本法」が成立しました。当センターも成立の後押しをしてきましたので、大変うれしく思っております。2014年(平成26年)12月には、同法に基づく第1回関係者会議が開催され、大量飲酒による様々な障害を防止・軽減するため、会議で要望された内容をもとに、国が基本計画を作成することになりました。今後、当センターでは、その内容を見すえた治療を展開していきます。
 
以下、当センターで特徴的なプログラムや治療・活動をご紹介します。
 
「子どもプログラム」・「思春期プログラム」の実施
アルコール依存症の影響は、ご本人だけでなくご家族にも及びます。入院された方々のお子さん(幼稚園生から小学生)の中には、チック、不登校といった問題を起こしており、援助が必要な場合があります。当センターでは、2007年(平成19年)より、患者さんのお子さんが依存症への理解を深めたり、セルフケアの方法を身につけるための「子どもプログラム」を実施してきました。さらに、その年齢層を過ぎたお子さん方へのプログラムを準備してきましたが、2014年(平成26年)12月に、10歳から16歳を対象とする第1回「思春期プログラム」を開催することができました。
 
認知行動療法
アルコール依存症は、「行動の病」なので、回復には行動変容が重要です。そのために最新の知見を応用し、常にプログラムを更新しています。
 
薬物療法の進歩
飲酒抑制薬であるアカンプロセートが2013年(平成25年)から処方できるようになりました。単剤、あるいは他の薬剤と併用したときの効果・副作用などの知見が蓄積されつつあり、臨床に応用しています。
 
地域連携
地域の基幹病院、保健所、企業、自助グループなどに当センターからスタッフが出向し、酒害相談や講演会、ケースカンファレンスなど様々な業務を行っています。
 
今後もスタッフ一同、皆さまに安心・安全で効果の高い医療をおとどけします。

副センター長よりご挨拶

副センター長(内科医長) 橋本 健一

こんにちは、内科の橋本です。
長期のアルコール摂取は肝臓、膵臓、心臓、脳など様々な臓器に障害を与えます。また、入院当初は多量飲酒によって、アルコール性肝炎、膵炎、糖尿病などを併発している場合が多く、精神科医による断酒後の離脱管理とともに、内科疾患の治療が必要になってきます。
精神科治療と内科治療は別々に行われている施設が多いのですが、当センターでは精神科医と内科医が連携しているため、断酒治療をしながら内科治療も同時に行えるのが特徴です。また、高血圧、高脂血症、高尿酸血症、その他の持病をお持ちの方の入院後の管理も行っています。さらに、入院時に行う採血、尿検査、レントゲン、心電図、頭部CTといった一般的な検査に加え、入院後には胃カメラ、腹部超音波などの検査を行って長期のアルコール摂取による身体へのダメージを調べるなど、人間ドック的な対応を行っています。
さらに、当センターでは対処困難だと判断された病気が発見された場合には、速やかに高次医療施設への紹介を行うシステムも確立しています。内科スタッフ一同、常に質の高い医療が提供できるように努力しています。身体的に心配なことがありましたら遠慮なくご相談ください。