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2013.05.222012年度 「ご家族向けプログラム」の実施報告

家族講座

精神の病の治療には、ご本人や医療スタッフばかりでなく、ご家族の支援がとても大切です。ご家族の支援があることで、精神症状の回復が早くなったり、悪化を予防することに影響を与えるともいいます。そのようなご家族に対して、当院では統合失調症を理解するため、定期的に家族講座を開催しております。2012年度は合計6回実施し、27家族(44名)の方々にご参加いただきました。

家族講座の前半では、医師や精神保健福祉士及び作業療法士が統合失調症について、知識を深める目的で各15分程度の講義を行います。また後半では、ご家族と医療スタッフの間で意見交換会を設けております。意見交換会では、ご家族よりさまざまな課題やテーマが提示されます。ご家族が抱えている不安や悩みは画一的ではなく、病状や家族状況によってそれぞれ異なるものですが、ご家族同士で共通な悩みや課題もあり、「みんな同じ不安を持っているんだ」などと共感し合うことでも、安心感が得られることもあります。2012年度の家族講座では、精神病が親から子へ引き継がれるのかといった遺伝に関わる質問や、経済的な支援にはどのようなものがあるか等、最近の精神医療の問題点に関わる内容についても話し合われました。

解決できないテーマが話し合われたこともありますが、毎回ともに活発な議論がなされました。この家族講座を通じて、ご家族の不安や悩みの解消されればと思い、多職種がチームとなって取り組んだ結果、ご家族からは「また参加したい」「本人との関わり方が変わっていけそうです」などと、病気の理解について前向きな感想も聞かれました。そのようなご家族には、家族SST(Social Skill Training)もご紹介させていただいております。

2013年度も定期的に開催していく予定です。今後も社会資源や病気についてお持ち帰りいただく資料なども充実させ、更にご活用いただける講座としていきたいと考えています。

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家族講座担当スタッフ一同


家族SST

家族SSTは2012年度10月より、内容をリニューアルして皆様に家族SSTの機会を提供しております。今回は、リニューアル後の変化や、これまでSSTで工夫してきたこと、そしてこれからの抱負について記事にしました。

◇◇リニューアル後の変化◇◇
参加したご家族からは、「親が焦らないこと、干渉しすぎないことを意識して自分なりに対処することを心がけていきたい」、「誰にも相談できなかったことを話せた」、「今まで批判的に接していたことが分かった」といった声が寄せられました。ご自身の振る舞いを見直す機会であったり、胸の内に溜めていた気持ちを話せる場にもなっているようです。
また、オリエンテーションを実施することで会の目的を共有しやすい仕組みをつくったことや、スタッフの役割分担を明確化することで、グループのスムーズな運営につながっているという手ごたえを感じています。

  
◇◇参加する家族層◇◇
統合失調症の診断を持つ患者様のご家族が対象となっており、親亡き後のことを心配されるご両親の姿がよく見られます。リニューアル以降に参加されるご家族の中には、病気を発症して間もない患者様と生活を共にする方も多く、これからの関わり方について「どのように声をかけていいかわからない」「病気の症状をどう理解していいか分からない」というような戸惑いや不安な気持ちから、家族SSTへの参加を決めたというご家族が多くいらっしゃいます。


◇◇工夫してきたこと、アピールポイント◇◇
2時間という限られた枠で参加者全員が満足し、「勉強をした」という感覚を持ってもらうことが大事なのではないかとスタッフ間でミーティングを重ねました。自宅に戻ってから実践できること、知識として身につけられることを提供すると考えた場合、疾患の正しい理解に加え、患者様との関わり方を講義形式で伝えること、そして伝えるだけではなくテキストを活用したワークや、日常生活場面を想定したロールプレイを取り入れ、参加者とスタッフが共に進められる方法を採用しました。中でも講義部分での工夫としてはより分かりやすい説明ができるように、手作りの視覚材料をセッションごとに用意するようになっています。


◇◇抱負◇◇
参加して下さるご家族が「これからも来たい!」と感じられるようなグループ運営を心掛けたいと思います。今年の10月には初めてクールを終了されるご家族を対象に、アンケートの実施をして客観的な評価を得ることで隠れているニーズを発掘していく作業を行い、それをフィードバックすることでご家族の満足感を高めるばかりでなく、ご家族自身の解決能力を伸ばすことで、共にある患者様へのよりよい治療に繋がればと考えています。

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家族SSTスタッフ一同