トピックス トピックス

2013.04.19ストレスケアセンター医師よりメッセージ ~入院治療でのうつ病の薬物療法について~

はじめまして、ストレスケアセンター担当医師の高橋です。
この春から当センターで勤務させていただくことになりましたが、昨年度までは東京都の教職員の方々の職域メンタルヘルスや、長期休職教員の復職支援事業に関わる仕事を10年ほどやっておりました。どうぞよろしくお願いいたします。


「精神科への入院」と聞くと、おおごとのように感じて躊躇される方も多いとは思いますが、じつは入院治療にはさまざまなメリットがあります。今回は代表的な例のひとつとして、薬物療法での入院治療の利点についてお話しましょう。


うつ病の治療、わけても薬物療法のカンどころは「良くなるまで上手に待つ」ところです。とくに、うつ病の薬(抗うつ剤)には、飲み始めてから効果が安定するまでに週単位の時間がかかるものが多いのですが、病状が安定しないうちはどうしても不安感が強く出てしまい、お薬や治療自体にも抵抗感を感じる方もしばしばお見かけします。
せっかく外来通院治療を始めても、効き目が出てくるよりも早く副作用が気になってしまって十分な服用ができなかったり、薬の増量や調整を不安がられるあまり外来での病状安定にさらに長い時間がかかってしまったり、ということでは、治療のさらに先にある生活復帰、職場復帰に至るまでの貴重な時間をあたら費やすことにもなりかねません。


入院治療では、患者さんの全身状態の把握に始まり、集中的・総合的な治療とのかかわりを作っていくことが最初の目標になります。薬物療法においても、外来でうまく使えていなかった薬をスタッフの協力のもと再評価したり、副作用のおそれのある薬もこまめな服薬指導と慎重な経過観察のもとで安全に使用したり、逆に増えすぎたお薬を短期間で計画的に整理統合したり・・・といったさまざま形で、患者さんの病状やニードに合わせながら、外来治療ではなかなか行えない集中的な治療計画を立てることができます。


このように「外来治療ではできないことを、外来治療とは違う環境で、短期間に集中して行う」というのがストレスケアでの入院治療の基本的な考え方です。


ご利用される皆さんの一日も早い回復と、一日も早い職場復帰に向けて、私たちの病棟が少しでもお力になれることを願ってやみません。

センター医師 高橋英男