ご家族支援 ご家族へ

患者さんの受け止め方について

うつや、うつ状態の患者さんと接することは、ご家族にとって、とてもエネルギーが必要なことです。患者さんの元気な時を知っているからこそ、その変化に大きな衝撃を感じ、受け止めを困難に感じやすいともいえるでしょう。
ご家族から「病気をなんとかしたくて色々やってみたけれど、うまくいかない」という話を聞くことがあります。何をやってもうまくいかないと、「自分にはどうすることもできない」といった無力感におそわれたり、「自分の提案に耳を貸さないから、こんなふうになってしまった」などの不満や否定的な感情が湧きがちです。
このような気持ちが強くなると、ご家族自身もうつ状態になりやすい状況に陥ってしまいます。まさに、「うつうつ介護」ともいえるでしょう。
ご家族が無力感にさいなまれ、無気力状態にならないために、していただきたいこと。それは「絶対にひとりで抱え込まない」ことです。

ご家族へ向けて

ご家族の精神的な病気については人に話しづらい悩みのため、友人や隣近所だけではなく、近隣の病院やクリニックに相談することもためらいがちです。しかし、「うつうつ介護」に陥らないためには、直面している現実をひとりで抱え込まず、ご家族が心の中で自問自答していることを、私たち医療スタッフに話していただくことが大切です。ご家族、そして患者さんが押さえていた気持ちや願いを言葉に出すことで、解決のきっかけが見つけやすくなるものです。

患者さんとのコミュニケーションの大切さ

患者さんの辛さや苦しさなどの感情を、ご家族が感じ取ることは容易ではありません。しかし、気がかりなことがあったら、患者さんに直接聞いてみてください。ご家族が心配している気持ちが患者さんに伝わりますし、患者さん自身に言葉で表現してもらうことで、お互いに心の内側のモヤモヤを共有することができるからです。コミュニケーションは、私たち医療スタッフも、普段の関わりで一番大切にしている方法です。「言葉にする」ことは、患者さんのこころに近づくための、大切な手段のひとつです。

患者さんへの思いを、言葉にして伝えてください

患者さんとご家族がお互いのことを気づかって、相手に迷惑をかけないように考えたにもかかわらず、行動としてはうまくいかない状態が続くこともあるようです。このようなときには、つい怒ったり、嫌味を言ったり、相手に嫌な思いをさせる結果になることが多いようです。 相手に対する特別な思いがあるからこそ、自分の思いを分かってもらえない歯がゆさを感じてそうなってしまうようです。そんな時も、「患者さんを大切な存在だと思っている」ということを、言葉にして伝えてみてください。お互いに、相手への尊敬や感謝の気持ちがあることを思い出すきっかけになります。 あせらず、じっくりと、目の当たりにしている問題を患者さんとともに一緒に考えてみてください。次第に「患者さんとご家族が対峙」している状態から、「患者さんとご家族が一緒になって病気に対峙する」姿へと変わっていくことでしょう。