企業との連携 企業のみなさんにできること

うつ病の経過に応じた対応のポイントをご紹介いたします。

前兆期

うつ症状の出はじめの時期です。気分の落ち込みよりも「疲れやすさ」「不眠」「食欲不振」「注意・集中力の低下」などの身体的な不調が前面にあることから、メンタルヘルスの問題として見逃されやすい時期でもあります。
 
「遅刻や欠勤が増えていないか」「ケアレスミスが多い」「急にやせてきた(太った)」「口数が減る」「活気がない」など、勤務状況や表情、身なりの変化などに気をつけましょう。
 
睡眠障害や食欲不振が続くようであれば、早期に受診につなげることが大切ですが、本人が問題を認識せず、受診に抵抗を示す場合もあります。本人の意思を尊重し、「病院へ行った方がいい」と押し付けるのではなく「元気がないようだけど、どうかしたの?」「いつでも相談に乗るから」と、本人が自然に自分の状態を語れるような声かけを工夫しましょう。
 
周囲の人が飲みに誘って元気づけようとすることがありますが、アルコールによって気分が改善するのは一時的なものに過ぎません。また、人によっては他者との接触を苦痛に感じる場合もあるため、適切ではありません。

急性期

心身ともにエネルギーが枯渇している時期です。時短勤務なども本人にとっては負担になる場合が多いので、十分に休養をとってもらうことが治療の中心となります。仕事の負担から距離をおき、治療に専念してもらうために、休職を検討することも選択肢のひとつです。
 
がんばりたくても力が出ないことが、多くの患者さんが感じる辛さでもあります。安易な励ましや応援はプレッシャーとなるため、控えましょう。
 
気分転換にと外に連れ出したり、大勢の人と会うことは好ましくありません。患者さんがゆっくり休める環境を維持することを最優先しましょう。

回復期

休養によりエネルギーが回復し、少しずつ活動の範囲を広げていく時期です。回復の程度に応じてリワークデイケア*への参加や段階的な職場復帰を視野に入れはじめる時期です。
うつ病の症状は、一進一退を繰り返しながら回復に向かう特徴があります。復帰後の通院や体調の変化に柔軟に対応できるよう、配置や勤務時間については患者さんを交えた関係者での話し合いと連携が必要です。
 
復職後に、今までの遅れを取り戻そうとがんばりすぎてしまう患者さんも少なくありません。適宜、周囲の方がブレーキ役となって本人にかかる負担を調整しましょう。
 
時短勤務やリハビリ勤務など、配慮されていることで自己評価が下がっている場合がほとんどです。業務の達成状況など、できている成果を肯定的な言葉で返してあげることが大切です。

*リワークデイケア:仕事に復帰するための準備をしたり、生活のリズムを整えることを目的とした、通いのプログラムです。